スローモHEROHERO

お休みなのでカルめに. スローモーション動画が結構好きで. ホオジロザメの捕食の瞬間 とか. 動画サイトサーフィンしてたら、面白いのがいくつかあったので. まずシートベルト. でもどうだろう. 意外に衝突の衝撃は強く 、人間の力では支えるの無理だからこその「シートベルト」だから. 誤解のないように見てもらいたい動画ではある. さて、見ててラクで、夏っぽくて好きだったのが以下. これ、きらきらしてるだけじゃなくて、逆再生が面白いよな. スローモーションは、 本来人間が見たくても見えなかった、「神の視点」 なんだろうな. さて、そんな「神」が望まないであろう状況の、スローモーションと、そのプロモ. ちょっと怖いぐらいだもんな. このへんやらせると海外はエッジが利いててスマート. ----------------- 温かさや重要度喚起、楽しさやみずみずしさの表現、そして、恐ろしさや愚かさ. 「神の視点」に人間が立つことを認め、神がするように 「感じる時間」「熟考する時間」を人間に与えてくれるスローモーション . 生き馬の目を抜く世の中であり、毎日忙しいけれども、しっかり感じて、考えて、生きていたいものです. 紀元前、のちに始皇帝となる秦王のもとに彼の命を狙う3人の刺客を倒したという無名と名乗る男が現れます. 暗殺者から身を守るため、百歩以内には誰も近づけない秦王でしたが、無名から聞かされる槍の名人・長空、剣の名人・飛雪、剣と書の名人・残剣の驚愕の物語一つ一つを聞くたびに10歩づつ近づくことを許します. やがて無名があと10歩までの距離に近づいた時、秦王は無名の本当の目的に気づく…という張芸謀監督の最高傑作でもあるこの武侠映画. その素晴らしさは何と言ってもまず映像美ですね. 例えば飛雪と如月の対決シーンでは落葉一枚一枚の色にこだわってみたり、無名から語られる物語に登場する人物たちの衣装はその時々の心理に合わせた色使いをし、最後に語られる真実のシーンは「潔白」の白衣装で統一する細やかさ. 秦王の宮殿は陳凱歌監督の『始皇帝暗殺』でも使われたセットらしいですが、そんなことには気づかないくらい黒と赤と白を基調としたあの奥深い雰囲気. ワダエミクリストファー・ドイルといった職人技の凄さを改めて感じさせてくれるものです. また登場人物たちの崇高なる想いも凄く美しいです. 秦王暗殺に人生の全てを賭けてきた残剣が「秦王を殺してはいけない」という答えに辿り着いたのは彼が本当に平和を望んでいるからなんでしょうね. 確かに秦王は自分達にとっては憎き仇ではあるものの、あの時代中国を統一できる実力を持っていたのは彼だけ. もし秦王が命を落とせば再び長い動乱の時代に戻り、より多くの命が失われ平和が遠のいてしまいます. そんな崇高な想いを秦王も抱いていることを知った無名が選んだは武人らしく最後. 戦うことだけが武人ではなく、理想を叶えることのできる者に託すことも武人らしい生き方なんでしょうね. 無名が戦わず秦王に未来を託したラストの美しさは映画史に残る名シーンだと思います. 目に見える勝利を収めることだけが英雄ではない. 真の英雄は心の勝利を得るものであると教えてくれたこの映画. この映画に対してあまりいい評価を下していない方が多いと聞きますが、もし本当にそうならばキャッチコピーの通り、この国はまだ本当の英雄を知らないのでしょうね. 深夜らじお@の映画館 はこの映画こそがアジア最高傑作だと思います.