経営者は語る第9回】縮小するPCゲーム市

携帯電話用ゲーム大手のグリーが「釣りゲームをまねされた」として、ゲームサイト「モバゲー」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)などを訴えた訴訟で、東京地裁(阿部正幸裁判長)は23日、著作権の侵害を認め、DeNAに「釣りゲータウン2」の配信差し止めと、約2億3千万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した. グリーは、釣りゲータウン2について、自社が配信する「釣り★スタ」に特徴が極めて似ているとして「著作権を侵害された」と主張していた. グリー側の代理人弁護士によると、他人と交流しながら遊ぶ「ソーシャルゲーム」について、著作権侵害を認める判決は初めてだという. 長崎の建設会社である大星(だいせい)が、太平洋戦争をモチーフにしたPC用ストラテジーゲーム『空母決戦』をひっさげて市場に参入したのは、2009年春のこと. アメリカやヨーロッパではいざ知らず日本に限定すれば、最近あまり景気の良い話を聞かないPCパッケージゲーム市場. 同社が新しい事業を始めるに当たって、どうしてわざわざ縮小気味の市場に着目したのだろうか? 同社のブランドSi-phon(サイフォン)の代表を務める谷村勝一郎氏は「多くのメーカーが手を引いて急速にしぼんでしまった市場だからこそ、潜在的な実力を正しく発揮できれば、むしろそこにビジネスチャンスがある」と語る. そんなSi-phonブランドの戦略について、第二作となる戦国ストラテジー 『戦ノ国~もののふ絵巻~(以下、戦ノ国)』 の発売(近日発売予定)を控えたタイミングで、Si-phon代表の谷村勝一郎氏と、開発会社エレメンツの取締役社長にして、かつて『大戦略』シリーズや『天下統一』シリーズで腕を振るった石川淳一氏に話を聞いた. いまPCパッケージゲームに着目してもらうために、どんなPRが必要なのだろうか? また、そうした市場の現実を十分に理解したうえで新たに投入する『戦ノ国』では、既存の戦国ストラテジーとどう差別化が図られているのだろうか? Si-phon代表取締役 谷村勝一郎氏(左)、エレメンツ取締役社長兼ゲームデザイナー 石川淳一氏.